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2008年07月04日

●NPOと行政の協働とはなんぞや

NPOと県の協働を進めようという動きがビミョーに盛んだ。

おいらは、こういうのってなかなか難しいと思ってる。NPOと行政の性格の違いはあまりに大きいし、お互いに目標とするところが近いようで遠い。県としては、これからの地域を考えたらNPOと協働したいということなんだろうけど、自分たちの生活や時間、何より思いをかけて事業に取り組むNPOと、所詮担当課を3~4年で替わり、その度にミッションが変わっていく行政とでは、思惑が合致するはずがないのだ。


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以前、コンサルとしてあるNPOの立ち上げから運営まで支援していた時、とある県庁マンからそのNPOのために「お金を出してやっちゅう」と言われたことがあった。そして続けて、県が予算つけざったら持たんろう、だけど県としてはそのNPOを育てたいがよ、と言われてしまった。
これがちょうど5年くらい前のことだ。で、そのときすぐにムキになって言い返したのが、「そんな天からお金が降って来るような状態じゃNPOが育つはずもないし、一番大切な「思い」より前に『県から降って来るお金のために仕事する』ことが先になってしまって、最終的には疲弊する」ということ。
そして、行政がそんな思いで妙な金を付けたりしているから、いつまでたってもNPOというのが一般市民から白い目で観られるし、「ええことしゆう、ということに溺れてる」なんていう風な評価をされるんだと思った。まあ一方で、NPOや市民活動家自身がそういう「いいことやってます」に溺れている人が多いから、どっちもどっちなんだけど。

で、結局行政のNPO観とは当時そんなもの。今もどうだか分からない。が、一般市民の感覚も、おそらくはそんなに変わらない。なんせ、NPOやってますとか、それでちょっとだけメシの種になってますなんていうことを言ったら、理解できないという人の方が多いわけだから。これは、「NPOは助成金や補助金で成立していて、スタッフは有給がNGでボランティアだけだ」という変な誤解が今も強く残っているからだろうし(また事実そうであるところも多いし)、NPO自身がそういうボランティア万能体質を取り除かない(もしくは減らす)ことをしなければ、いつまでも変わらない。
もちろん、ボランティアが支えなければいけない局面は極めて多いので、それを一切を否定するものではないけれど、たとえば企画や技術といった人海戦術だけでは成立しない「実働」にフィーがなければ、かえって社会構造をぶちこわすことにすらなりかねない。
たとえば、それまで良心のある企業が様々な要素を検討して報告書をまとめてきたことが、ボランティア精神溢れる(けれどプロ根性もない)NPOによってまとめられることになるとどうなるか。同じ業務でも企業相手なら300万がNPO相手ならたとえば50万になる可能性が高い(指定管理者でもよくある問題)うえに、内容も「市民活動色」がやたら強くなってバランスを欠いたものになりそうだ(←これには語弊があるかも。バランスが必要な企画でもバランスを欠く可能性があるということ。また、あえて書く事もないが全てがそういうわけじゃあない)。
そして、この果てにあるのは、価格と品質の低下。ある意味NPOは総じてワーキングプアに陥るだろうし、アウトプットの品質も低下していく。企業が300万でなんとか利益を出していたのが、NPOに50万円でできるはずがない。ハナから依頼者がNPOをボランティアと決めつけているか、NPOが労働の価値を下げているかどちらか・・・。

だからこそ、こんな「協働事業」をやるのなら、行政は「手伝ってやってるんだ」みたいな意識を根っこから取り除くべきだろうし、これまで頑張って来たNPOは「行政を便利に使ってやる」みたいな意識をさっぱり捨てないといけない。面倒な手続き関係だけやってもらってちゃあいかんのだ。
・・・だけど、手元に届いた県側担当課の「協働内容」をまとめた資料をみると、行政もたとえば手続きの簡素化や広報支援など「こんな便利なことしてあげる」メニューしか用意できていない。また、NPO側もそれしか望んでいない(もし自分がそのNPOなら、実際それしか望まない。なぜなら、それ以上のことができると思ってない)。

これは難しい。果たしてこの協働の先に何があるのか。本当に協働するというのなら、たとえばそのNPOがこれからやろうとしている企画にも積極的に、行政の立場だけを粛々と説明するのではない形で、次から次へと提案をするべきだろう。また、NPOの側も、県庁の人々が本来持っているはずの高い総合的な見識(バランスが良いというか、良すぎるというか)を活かして、こんな企画をやりたいがグイッと中央から金を持って来れんかとか、いろんな課を回って出会って来た民間人や激烈に面白いけど県庁内では日陰族扱いになってしまってる県庁マン(たまにいる)の「アタマ」を貸してくれんかと訴えてみるべきなんじゃねえか。
そのバランスが取れるようになったら、NPOへの意識もNPOの立場も変わるような気がするし、ワーキングプアなことにはならない仕組みへと移行できるような気がする。


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コメント

そんな世界から脱出して息を吹き返しました(笑)。
いろいろ思うところはありますが、自分でモノ作ってそれを売って、その糧で暮らすって、シンプルでいいなぁとしみじみ思います。

んだな。結局あちこちで思うのはまさにそのこと。
「自分でモノつくってそれ売って暮らす」。
それが一番いい。
「自分」の暮らしと直接リンクしてないと、最終的にはアカン、そんな気がする。

  タケムラさんよくぞ言われました!拍手です。

 県庁職員が安易に「県民との協働」なんて言う言葉を使用したがりますが、市町村職員とはありえても、県職員とはありえないとおもっていたからです。

 またNPO側もご指摘のように、問題意識の稀薄な人達が「させていただいております」的な県の手先NPO(御用市民並びに御用NPOとわたしは言っている)方たちがあまりに多いことに辟易していました。

 県の主催する「民意を効く為の」審議会にもこうした御用市民、NPOが多く県に「活用」されています。

 つまり「お互い様」でありお互い利用価値があるのですね。

 NPOではないですが、地元町内会で自主防災会をこしらえましたが、事務作業がとても多く、半分県が予算を出しているので「難癖」ばかりつけてきました。

 それもすべて「市の職員」を通じてものをいいます。どれほど無駄な労力を費やし、無駄な時間を費やしたことか。

 わたしは高知県庁など廃止すべきです。国と市町村だけあればよかれと本気で思うようになりましたし。

実はこの事業関係のコーディネータの依頼がきまして、それでアタマを整理するために書いてみました。はじめに職員の方にお聞きしたのは「協働」ってなんですか、ということ。実際よくわからなかったのでお聞きしたのですが、県の方もまだまだこれからその姿を構築するんだ、というのが最終的な答えでもあったんです。
ものすごく素直な答えだなあと思ったし、実際どうしてったらいいもんか分からないなあと思ったもんです。けんちゃんのいうように不要という見方もあるけど、やっぱり対象が広域の場合は県の存在は貴重だわいと思いますよ。ホントにいい職員に出会うことができたら、こっちの脳みそをグリングリンしてもらえるくらい、物事が広がるときがある。ある意味ものすごく狭いエリアで活動している人からすれば、県職員が本来持つはずの「広い目」は面白いんではねえかと。まあ滅多にいませんが・・・
市民にやらせる「事務作業」は、もっと簡素化してほしいですね。「協働」を標榜するわりに、その「協働」の前に横たわる面倒な提出書類。それを書いてほしいから「協働」に希望を見いだすNPO。それが「協働」だと思いつつある行政。
この間に妙な書類がなければ、もっと対等な感覚がお互いの間に芽生えるような気がしますよ。書類を取り交わして「知事」のハンコが降りて来たりすると、やっぱりちょっとお上って感じがしますもん。けんちゃんのいう自主防災会でも、書類を県市がやるきに、そんな形式より内容を考えようという方向に行けるような気がします。

少し視点が違うかもしれませんが、こういう二つの事例があります。
一つは県の森林環境税の間伐・森づくり関連事業、森林組合等の団体はha単価最高50万円。しかしNPOはボランティアだからということで0円。
もう一つは、経済産業省系の事業、自治体、企業、森林組合、NPO、全く差別なく同じ扱い。

でその結果はどうだったか。先の事例はタケムラさんの言うように、NPOはワーキングプア状態。地元自治体に補てんを受け何とか事業を完遂しました。

後の事例については、自治体、企業、森林組合等と対等の待遇を受けたためか、皆張り切り、NPOの立場、考え方を遺憾なく発揮し、全国に誇れる事例を築きました。当初はプロジェクトメンバーの一部にはNPOをバカにするような方も少数ですがおりましたが、結果が現れるにつれ、現在ではかなりいい協働状態です。

事業実施者の最初のスタンスの差が結果に表れた事例です。このスタンスの差は非常に大きく、現場では通常交わす言葉や内容も全く違ってきます。当然ながら後者のような現場には、けんちゃん曰く「御用NPO」は入る余地がありませんね。

 県庁職員の仕事は「国との交渉」「市町村との接触」だけであると言い切ってほしい。下手に「県民との協働」などと言わないでほしい。

 ありえませんし。だいたい県民が県庁へ行く用事はありません。パスポートの更新だけですが、それも最近外国へいかないので無用。

 あえていうなら情報センターの機能があればいいけれど、たぶん優秀な職員が情報を持っているんでしょうが、県民へおりてきませんね。

 せめて県庁のホームページで情報を公開すればいいのですが、これも「不十分。

 ですので結論は県庁は廃止したら良いと思います。すべての県職員は市町村へ再就職するか、民間会社へ再就職してください。

 そういう立場になってはじめてわかることもあると思いますね。

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