« 高知遺産 | メイン | 高知城 »

2004年04月19日

●5人の人質

5人が釈放されて良かった良かったと思っていたら、国内は意外なほどに醒めていた。与党は経費を返せといい、国民にも結構「自業自得だ」と言って憚らない人が多かったりする。
自衛隊はよくてNGOは何でダメなのか? 危険だから良くないというのであれば、自衛隊の派遣理由なんてとっくに崩れてる。そんなことを言うなら、サマワ周辺で自衛隊員がもし拉致られでもしたらどうするんだろ?

それに、ニーズ自体が希薄だったとされる浄水(浄水については、外資だったか他の軍隊だったかが既に結構やっていて、これ以上の浄水はあまり必要がないらしい)だけのために自衛隊に何億もお金をつぎ込んでおいて、政府になぞ思いもつかないニーズに答えようとするNGOには「こんな目にあってまだ行こうとするなんて」と言い切ってしまう。そしてそれにうんうんと頷いてしまう人が多いという事態。なんだか日本までいつのまにかテロ直後の大政翼賛アメリカ会みたいになってきた。

もちろん、自業自得という見方もできる。殺されるかも知れないと分かって行っているんだから、それで人質になってPTSDになったところで、確かにすべては自業自得なのだ。でも、政府の勧告はあくまで勧告で、日本国民の立ち入りを絶対禁止しているわけではない。絶対禁止にしていない以上、国家の仕事として「国民の保護」を政府は考えるべきなんじゃないかと思う。まあもちろん政策との兼ね合いの中で見殺しせざるを得ない場合もあるだろう(イタリアのように)けど。


だけど、これを簡単に自業自得だなんていうことで済ませてしまっていいものか?
彼らを自業自得と言い切れる人は、おそらく彼らがイラクの地元組織に人質にされてしまった理由〜ファルージャのことやアメリカの思惑〜についてなんて何も考えていない。ただ新聞やテレビの言うことを素直に聞いているだけなんじゃないだろうか。というか、知ろうともしていないんじゃないか。「ファルージャのことを日本人に伝えてほしい」というあのメッセージに、どれだけの思いがこもっていることか。
 人を殺すということ、殺されるということ。その痛みと苦痛を理解してほしいというのが、拉致をしたメンバーたちの最終的な願いなように感じられる。今の日本はそれすら飛び越えて「自業自得」で済ませてしまっているが、このことからは仲間を理由もなく殺されてしまうことへの想像力が今の日本人にはできないということがあるんじゃないだろうか。
 もしミサイルが飛んできて友達や家族がなんだか訳もわからない内に死んでしまったらどうなるだろう。それで訳もわからないうちに占領されて、なんだか「動いた」からといって蜂の巣にされ、銃があるかもしれないからといって部屋に立ち入られて銃以外のものまで奪われて・・・。そんな想像もつかないようなことが今イラクやファルージャでは起きている。
 そして、そんな不合理の狭間にある人たちを少しでも助けようとしている人たちに、なんで自業自得なんていう言葉を浴びせることができるんだろう?

【田中宇/米イラク統治の崩壊】http://tanakanews.com/e0413iraq.htm
【ファルージャの目撃者より:どうか、読んで下さい】http://www.jca.apc.org/%7Ekmasuoka/places/iraq0404d.html


ところで、少なくとも国がお金を請求するのはなんかジミね。
なんとか保護してもらいました、でも帰りたくないといっている人まで連れて帰ってきて、飛行機賃やらドバイでも上等という病院代とかちまちま請求するというのはなんだか・・・

コメント

バクダッドからドバイまで、5万円を請求するらしい。こゆ時に適用される内規もあるんだなと感心
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/kokkai/news/20040421k0000m040108000c.html

「帰りたくない」というのは誤報だったようです。しかし後で釈放された2人の態度はなんだか潔いな〜。

コメントする

(初めてのコメントの時は、コメントが表示されるためにこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまでコメントは表示されませんのでしばらくお待ちください)